【かつおだしの取り方】うす削り・厚削り・合わせだしをプロが解説
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家庭料理の味を左右する「かつおだし」。
かつお節の種類や取り方を少し変えるだけで、香りやコクは大きく変わります。
この記事では、基本の「うす削り」から、コクの強い「厚削り」、うま味豊かな「合わせだし」の取り方を、分量と手順つきでわかりやすくご紹介します。
■かつおだしの取り方(うす削り)
かつお節だけで取るシンプルで基本的なかつおだしです。
火を止めてから加えるだけなので失敗しにくく、初めてだしを取る方にもおすすめです。
香りがよく、味噌汁や煮物など、毎日の料理に使いやすい万能なだしに仕上がります。
うす削り(花削り)について
このだしでは、うす削り(花削り)のかつお節を使います。
・香りがよく、短時間でうま味が出やすい
・煮出しすぎなければ、雑味が出にくい
・日常使いのだしに向いている
香りを活かすために煮出しすぎないことがポイントです。
かつお節をこすための道具について
だしをきれいに仕上げるためには、こし方も大切です。以下のいずれかを用意してください。
・万能こし器
・ざる+キッチンペーパー(あればさらし)
・茶こし
中でも万能こし器は、口径が広く使いやすく、だし以外の料理にも使えるという点でおすすめです。
「ざる+キッチンペーパー」は、細かいかつお節の粉まできれいにこせる丁寧な方法のひとつです。
※下に大きめのざる → キッチンペーパー → 上に小さめのざると重ねると、途中でキッチンペーパーがずれにくくなります。
用意する材料(1L分)
・水:1L
・かつお節花けずり:30g
※かつお節だけでだしを取る場合は、昆布と合わせる場合より少し多めに使うと、うま味に物足りなさが出にくくなります。
作り方
1.鍋に水を入れて火にかけ、沸騰させる
2.沸騰したら火を止め、かつお節を入れる
3.そのまま 1〜2分ほど置く
4.かつお節が沈んだら、静かにこす
※火を止めてからかつお節を入れることで、えぐみや雑味を抑え、香りのよいだしに仕上がります。
だしをこすときのポイント
・万能こし器、ざる+キッチンペーパー、茶こしのいずれかを使用
・勢いよくこさず、自然に落ちるだしを使う
・強く絞りすぎない
※火を止めてからかつお節を入れることで、えぐみや雑味を抑え、香りのよいだしに仕上がります。
うす削りのかつおだしに向いている料理
・味噌汁
・煮物(薄味〜中程度)
・和え物
・日常の汁もの全般
香りが立ちやすいため、だしの風味を活かしたい家庭料理に向いています。
保存について
粗熱を取ってから冷蔵庫で保存し、2〜3日以内を目安に使い切りましょう。
暑い時期は、冷水や氷水で急冷すると、風味と日持ちがよくなります。
使用するかつお節
■かつおだしの取り方(厚削り)
厚削り(荒削り)のかつお節は、うす削りに比べてコクとうま味が強いのが特徴です。
弱火でじっくり煮出すことで、濃い味付けの料理にも負けない、力強いだしに仕上がります。
しっかりとした味のベースとして存在感のあるだしを取りたいときにおすすめです。
厚削り(荒削り)について
厚削りのかつお節は、うす削りに比べて削りが厚く、
・うま味が強い
・煮出すことで味が出やすい
・だしにコクが出る
という特徴があります。
そのため、うす削りのように短時間でこすのではなく、弱火でじっくり煮出すのがポイントです。
用意する材料(1L分)
・水:1L
・かつお厚削り:30g
※厚削りは煮出すことでしっかり味がでるため、より濃厚なだしが欲しいときは多めに使っても、うま味とコクが感じられます。
作り方
1.鍋に水とかつお厚削りを入れて火にかける
2.沸騰したら弱火にし、5〜10分ほど煮出す
3.火を止め、だしをこす
※グラグラと強く沸騰させ続けると、雑味が出やすくなるため、弱火を保ちましょう。
だしをこすときのポイント
・万能こし器、または「ざる+キッチンペーパー」を使用
・うま味をしっかり出したい場合は、だしがらを軽く絞ってもOK
・力を入れすぎると雑味が出るため、注意
厚削りは繊維が大きく、うす削りよりも比較的こしやすいのも特徴です。
厚削りのかつおだしに向いている料理
・麺つゆ
・そば・うどんのかけ汁
・濃い味付けの煮物
・丼もののだし
しっかりした味付けの料理でも、だしの風味が負けずに活きてきます。
使用するかつお節
■合わせだしの取り方(かつお節と昆布)
※昆布の表面の白い粉はカビではなく旨味成分です。洗い流さず、固く絞った布巾で軽く拭いてから使用してください。
だし汁の「かつお節」と「昆布」について
ここまで、かつお節だけで取るだしをご紹介してきましたが、和食の基本となる合わせだしは、昆布のうま味(グルタミン酸)とかつお節のうま味(イノシン酸)を組み合わせることで、より奥行きのある味わいになります。
使う材料のポイントを確認しておきましょう。
・かつお節は「うすけずり(花削り)」を使用
香りがよく、雑味の出にくい削り方で、合わせだしに最適です。
・昆布は、できれば日高昆布以外がおすすめ
昆布の種類によって味に違いがあり、上品なだしを取る場合は、羅臼昆布や真昆布、利尻昆布などが向いています。
・だし素材の基本分量は「水の量に対して3%」
水1Lに対して、
・かつお節:20g
・昆布:10g
が基本の目安です。
1.昆布だしを取る
合わせだしは、まず昆布からうま味を引き出すことが大切です。
ポイントは2つあります。
① 事前に水につける
鍋に水と昆布を入れ、30分以上浸しておきます。
昆布がしっかり戻ることで、うま味が引き出されやすくなります。
※前日から浸しておいても問題ありません。暑い時期は冷蔵庫に入れておきましょう。
②沸騰直前までゆっくり加熱
弱火よりやや強めの火にかけ、約10分かけて沸騰直前まで加熱します。
昆布が柔らかくなり、爪がすっと入るくらいが目安です。
味見をして、昆布のうま味が十分に出ていれば、沸騰直前で昆布を取り出します。
※昆布を入れたまま沸騰させると、昆布特有のえぐみや臭みが出るため注意してください。
2.かつお節を加えて、だしを仕上げる
昆布を取り出したあと、昆布だしを、一度しっかり沸騰させてから火を止めます。
火を止めた状態で、かつお節を加えます。

その後、再び中火にかけ、沸騰したらすぐに弱火にします。
アクが出てくる場合は、お玉ですくい取ってください。
用途別:煮出し時間の目安
かつお節を入れてからの加熱時間は、用途によって調整します。
・煮物・汁ものなど料理全般
→ 弱火で 3〜4分 煮出す(しっかりとうま味を引き出します)
・お吸い物など上品に仕上げたい場合
→ 弱火で 1〜2分(雑味を出さず、上品に仕上げます)
※こす前に、必ず味見をして、かつお節のうま味が出ているか確認しましょう。
3.だしをこす・保存する
用意した道具で、だしを静かにこします。
・料理全般に使う場合は、だしがらを軽く絞ると、うま味の強いだしになります。
・お吸い物など上品に仕上げたい場合は、絞らず自然に落ちるだしを使います。
粗熱を取ってから冷蔵庫で保存し、2〜3日以内を目安に使い切りましょう。
暑い時期は、冷水や氷水で急冷すると、風味と日持ちがより良くなります。
使用するかつお節
■かつおだしに使う水について
かつおだしを取るうえで、主役はもちろん「かつお節」ですが、実は水も、だしの味わいを左右する大切な要素です。とはいえ、特別な水を用意する必要はありません。基本のポイントを押さえるだけで、十分おいしいだしが取れます。
基本は「軟水」
かつおだしには、ミネラル分の少ない軟水が向いています。
・かつお節や昆布のうま味が引き出しやすい
・雑味が出にくい
・だしの香りが立ちやすい
日本の水道水は多くの地域で軟水のため、家庭の水道水で問題なくだしを取ることができます。
水道水を使う場合のひと工夫
水のにおいが気になる場合は、次のような方法がおすすめです。
・一度沸騰させてから冷ました水を使う
・浄水器を通した水を使う
これだけでも、だしの風味がよりクリアになります。
硬水は避けたほうがよい?
ミネラル分の多い硬水は、だしが濁ったり、えぐみが出やすくなることがあります。そのため、特別な理由がない限り、硬水はだし作りには不向きと考えてよいでしょう。
まとめ|水は「気にしすぎなくて大丈夫」
・基本は家庭の水道水でOK
・軟水を使うと、だしの風味が引き立つ
・においが気になる場合だけ、ひと工夫
かつおだし作りは、良いかつお節と、正しい取り方が何より大切です。水はあくまで補助的な要素として、気負わず、日々の料理にだし作りを取り入れてみてください。